2008-11-08から1日間の記事一覧

第12回   薩摩ブシか土佐ブシか、本枯れ節讃歌   2008/02/28 閲覧(658+641)

篤姫ブームの南国への旅 その1 + 京都からは多彩な食の廻廊が延びている。このたびは食材が集まる錦から産地への旅。薩摩ブシか土佐ブシか、錦で仕込んだ話が南国への旅のきっかけになった。ブシは武士でなく枯れ節ことかつお節である。母や妻をさしておか…

第11回  幾年ふるさと来て見れば   2008/02/12  閲覧(372)+426

霧深き熊本・人吉の旅 熊本は父の出身地である。私の代までは、熊本とのつながりを切りたくない。仰ぎ見る阿蘇の雄大な眺望は、心に刻まれる原風景のひとつ。熊本は阿蘇をどこから見るかで、旅の道も印象も異なる。今回は空路、熊本入りした。松山を離れた夏…

第10回  松山の旅 ( 漱石と子規)  2008/01/28  閲覧(618+387)

小説には、さまざまな別れの名場面が登場する。男と女はいうにおよばず、親子、兄弟いろいろある。旅立ちに別れがつきものだ。夏目漱石の坊ちゃんが四国・松山に出発する東京駅頭の場面は、なんど読み返しても、印象深い5行である。生れながらの無鉄砲が自…

第9回   「京野菜 すぐき」    2008/01/15  閲覧(411+416)

ブランドでないブランドの味 北山に薄く墨絵の筆をさっと引いたような雲がかかると、しぐれの季節である。加茂川にユリカモメが舞いはじめ、北山橋のたもとで大槻史郎さん(故人)がパンクズをやりだすのも、決まってこの頃だった。ユリカモメのおっちゃんと…

第8回 侘助という名の椿に惹かれて歩いた京のまち    2008/01/07  閲覧(456+518)

== 古都に咲くもうひとつの雅 == 花の季節まではまだ早い。しかし、底冷えの町に凛として咲く花がある。 椿。苔の上に花びらを散らし、雪の中に赤い花の椿のイメージがふくらむ。本を整理していたら、目にとまったのがきっかけになり、椿を求めて京を歩くこ…

第7回  「願いを込めておけら参り」    2007/12/21  閲覧(559+283)

師走の半ばを過ぎると、京は正月モードにはいる。顔見世でにぎわう南座の招きが年の瀬を告げている。京名物のニシンソバを食べにはいると、ここは京の年寄りたちの社交場だ。一人で食べるおばあさんがいれば、グループ連れも目につく。「もう暮れかいな。せ…

第6回  京都から長州の旅 その2   2007/12/18  閲覧(339+305)

萩の城下で門に魅せられた。旧毛利家別邸の門。門にかかる「萩青年の家」が立ち止まらせ、中に招く。旧藩主の門を現代の若者たちが集う入り口に据えた活用は、吉田松陰の実学の教え、長州の教育への志を受け継ぐ。最後の藩主13代毛利敬親と志士たちの姿が…

第5回 京都から長州への旅 〜1〜 2007/11/27 閲覧(732+904)

維新の源流、吉田松陰は、弟子たちに説いた。「地を離れて、人なく、人を離れて事なし。故に人事を論ぜんと欲せば、まず地理を見よ」。旅の勧めである。京都の維新前夜めぐりをしているうち、松陰の言葉に出会った。維新後の藩閥政治は距離をおいて見ている…

第4回 京都きたのやまの里 〜2〜  2007/10/20  閲覧(1014+660)

別所から北へ、川を下り、京都市の山の家を過ぎて、大堰川に出会うと、大布施。京都市花脊出張所、駐在所、消防分署の並ぶ山里の官庁街?になる。細長い集落の中間地点であるとともに、花脊峠開通以前の水運合流点にあたり、ここから筏を組み、木材,木炭を運…

第3回 京都きたのやまの里    2007/10/09  閲覧(347+503)

鞍馬を過ぎると、京都交通の路線バスは、どこでも随時停車のメロデイバスに変わる。バス停がなくても、手をあげれば、バスは停まる。杉木立の中を流れるのどかなメロデイは、バス接近の合図の役を果たしている。歩きたい時に歩き、疲れたらバスに乗る。のど…

第2回  京のまち歩き 〜その2 冬の旅〜 2007/09/19  閲覧(526) 閲覧(526+333)

京の冬は確かに冷える。冷塊があやしげに空から押し寄せてくる。コートなしで外へ出ると、しばらくは寒さを感じないが、やがて肩から冷たくなり、気がついたときは、もう遅い。冬はコタツで動かないのが、京都人のようで、だから、京都人の屁は臭いことで定…

第1回  京のまち歩き 〜その1  夏の旅〜    2007/09/19  閲覧(393+229)

京都の夏は蒸し暑いで広く知られている。しかし、湿度が高いわけではなく、高温と風のない盆地特有の風土が「蒸す」と、受けとめられているだけだ。 この暑い京の夏は、春、秋のシーズンに比べて入洛客は少なく、汗をかくことをいとわないなら、散策に適して…