2017-01-01から1年間の記事一覧

第142回 私は美貌猫のベテイちゃん でもいまはおむつの日々

* * ベテイです。16歳。人間でいえば90歳に近い。京都生まれの京美猫。大津のパパとママの家には生まれて20日余できました。亡き先輩小太郎さんが1歳でした。コタさんには可愛がられ、なめたり、ほぐしたり、いい線をいっていたのですが、縁なく終わり…

第141回 鯛のうまいのは秋だ、今だ

〜もみじ鯛を求めて明石浦を歩く〜 鯛の旬は春というのが相場である。ところが漁師や業者に聞くと、秋、もみじのころの鯛が一番うまいと、笑われた。大津から新快速で1時間半の明石。神戸から 二駅ながら、遠くに感じるが、電車の旅には格好の距離である。…

第140回 色づく京の10月は隠れ里水尾

〜本能寺変の謎解く鍵はここにあり〜 京都には市内中心部から車で1時間の距離の隠れ里が西、南、北に散在している。北はいうまでもなく北山奥の花脊、広河原、久多。手前に鞍馬、貴船、八瀬、大原。ところが西の愛宕山麓も魅力的な隠れ里がある。水尾。京都…

第139回 猫小太郎がゆく文豪の「吾輩の猫の実家」

〜スロー、スロー、クイックの猫歩き〜 猫であった吾輩小太郎が黄泉の国に旅たって4年半になる。黄泉の世界は国境もなく自由である。自由であるがゆえに、かつての縛られた生活を懐かしく思うこ ともある。今年の盆に琵琶湖畔大津の実家に戻り、ベテイ、ボ…

第138回  琵琶湖周航の歌100周年 波をまくらにルーツを訪ねる旅

夏は琵琶湖。役所は移動の季節だ。おじさんたちが転勤のたびに歌うのが〽志賀の都よいざさらばーの琵琶湖周航の歌だ。私も2回の大津勤務でこの歌に送られ、しみじみとした気分に浸った思い出がある。 若者よりもおじさん、おばさん好みの歌ながら、昨今は役…

第137回 祇園祭 雷鳴とどろかせてコンチキチン

しめしめ、梅雨明けも近い。京の町を歩いてみたくなった。京の町の変貌はすさまじい。といってもひと頃のようにビルが乱立しているわけでない。中京あたりの 町屋が飲食店やみやげもの店に模様変えしている。かつてウナギの寝床の路地の家がそろってお洒落な…

第136回  稀有なJR鉄道の飛び地、城端線をゆく

〜合掌集落の生活を支えた絹織物の門前町〜 冬、雪に閉ざされた白川郷はじめ五箇山の合掌集落が江戸、明治、大正と生き延びた理由は合掌集落を歩いた だけでは理解できない。白川郷を歩いてまず感じた。大家族が冬を過ごしてくらすには、食料など生活物資の…

第135回 世界遺産 白川郷合掌集落を歩く

〜エキゾチックでクラシックな茅葺の里〜 白川郷は外人観光客の人気スポットである。爆買い観光でなく合掌造り観光は日本文化を訪ねる心の旅といえる。外人観光客からすればエキゾチックジャパンにほかならないが、この合掌造りの里を世界に紹介したのはドイ…

第134回 王政復古150年続編は木曽馬籠宿から

〜島崎藤村が描いた「夜明け前」をゆく〜 王政復古150年の今年、島崎藤村の大作「夜明け前」が読まれているそうだ。上下4巻もある小説は、はなから敬遠して全巻を読み通したことはなかった。最初の「木曽路は山の中」から馬籠の紹介まで「序章」に目を通…

第133回 維新前夜の幕府本陣、京都黒谷さんは京の隠れ散策路

〜会津の運命を変えた松平容保の京都守護職就任〜 大政奉還から150年の春、久しぶりに黒谷界隈を歩いた。桜にはまだ早いが、室町時代から花の名所に数えられた地である。京都の人はくろだにさんと、親しみを込めて呼 んでいる。かつては観光客の姿をみか…

第132回  作家藤沢周平の舞台を歩く

〜教え子から学んだ人間と故郷の絆〜 藤沢周平 私の住む大津市は 琵琶湖の南に位置し、湖北は北陸並みの大雪に埋もれて、南も一日雪模様の日が続いている。大津市内でも北部はアイスバーンで車の通行に難儀する冬である。 正月以来、こたつ番の読書三昧の生…

第131回  大政奉還から150年

〜幕末の暗闘を経て徳川崩壊〜 徳川幕府が天皇から委嘱されていた政治権力を天皇に返す大政奉還から今年は150年を迎える。徳川300年の終焉の年である。慶応3年10月14日 (1867)、京都二条城黒書院で将軍徳川慶喜が諸大名を前に政権返上を表…