2016-01-01から1年間の記事一覧

2016-12-09 第130回 日米開戦から75年の京都哲学の道

〜日本はどこへ行くのか、晩秋深まる〜 名残りの紅葉になった京都「哲学の道」を歩いている。この道が通称から正式名になったのは私が京都新聞社に入社して間もない社会部時代のいわゆる「町廻り」のころであ る。サツ廻りが事件取材なら町廻りは町ダネを拾…

第130回 日米開戦から75年の京都哲学の道

〜日本はどこへ行くのか、晩秋深まる〜 名残りの紅葉になった京都「哲学の道」を歩いている。この道が通称から正式名になったのは私が京都新聞社に入社して間もない社会部時代のいわゆる「町廻り」のころであ る。サツ廻りが事件取材なら町廻りは町ダネを拾…

第129回 秋の近江京と大和を結ぶ天平の恋

〜白鳳時代の弥勒菩薩を訪ねて〜 私の住む大津市は 細長い。うなぎの寝床にたとえられ、古代から現代まで時代ごとに町がつくられ、琵琶湖に沿ってひらがねの「し」の字の大津ができた。琵琶湖の水運が栄えた 明治までは船が北は堅田から瀬田川沿いの石山寺周…

第128回 そうだ四国高峰・剣山へ行こう

〜帰路は祖谷の平家の里〜 この頃、早く床に つくせいか、午前3時から4時までの間に目がさめる。困った癖がついた。眠気がくるまでラジオのNHK深夜便をイヤーホーンで聞きながら、夜を明けるのを 待つのは楽しい。6時頃には再び夢の中。朝の夢は鮮明で…

第127回 江戸町歩きが面白い

〜大岡越前、遠山金さんの舞台をゆく〜 TVで東京の町歩きをとりあげている。歴史とホットな動きをかみ合わせた東京紹介は面白い。大阪の民放も同じような番組をしているが、ふところの深さと町の変 化が比較にならない。大阪都構想よりも大阪駅前から阿倍…

第126回 さながらファッションショー 夏は華麗な盆踊り

〜郡上、西馬音内、山鹿、八尾をたずねて〜 日本の夏は盆踊りとともに過ぎてゆく。日本三大盆踊りは秋田の西馬音内(にしもない)、岐阜・郡上八幡、徳島・阿波が有名だ。8月15日前後が踊りの最 高潮になるが、郡上八幡は7月中旬から33夜の間、町内ご…

第125回 日本海夏物語

〜鳥取 いい味は岩ガキと青谷和紙〜 日本海をのぞむ露店風呂でこの日、鳥取のいい味を思い浮かべていい気分に浸っていた。夏の鳥取の味覚は数あるが、青い海にごつごつした岩場から連想するのは 岩ガキだ。殻を割って食べるあのふくよかな、とろりした味は口…

第124回 御食っ国(みつけくに)伊勢志摩

〜神饌・熨斗鰒(のしあわび)の国崎をゆく〜 サミットが終わ り、伊勢志摩から通行止めの表示はほぼなくなった。サミットでトバされ、TVに出る機会の少なかった鳥羽まで京都から特急2時間15分。鳥羽は伊勢湾の入 口に位置し東に渥美半島が思い切り手を…

第123回 フアン待望の京都鉄道博物館GWオープン

〜旅路はるか梅小路に鉄路の精鋭が勢ぞろい〜 このGWは美術フ アンには東京上野の「若冲展」、鉄フアンならこちら京都鉄道博物館が人気を呼んだ。旧梅小路機関区は京都駅西の山陰線高架西にあり、住所地は歓喜寺町に なっている。梅小路の町名は平安京条坊…

第122回 新月の夜、富山湾は蛍光に輝く

〜住みよい県NO1のホタルイカを求めて〜 − 金沢から富山の東に立山連峰がそびえる。霊峰の名にふさわしい信仰の山だ。春から新緑の頃、富山はホタルイカの季節である。琵琶湖から車で3時間の道。旅の足は鉄道と決めているが、今回は真夜中の海岸沿いをさ…

第121回 近江商人が開拓した北の小樽港と小林多喜二

=一杯のコーヒーが若者をとりこにしたランプの町= 小樽が観光地として注目されだした頃、季節は3月。町の通りの隅に雪が残っていた。80年代の後半、北海道観光が注目され、中でも小樽が学生の人気を集めていた。東京からの学生がまず立ち寄るのが北一3…

第121回 近江商人が開拓した北の小樽港と小林多喜二

=一杯のコーヒーが若者をとりこにしたランプの町= 小樽が観光地として注目されだした頃、季節は3月。町の通りの隅に雪が残っていた。80年代の後半、北海道観光が注目され、中でも小樽が学生の人気を集めていた。東京からの学生がまず立ち寄るのが北一3…

第120回 吾輩は猫でない、猫である 

〜「CATSはどこからきたのか」没後3年小太郎が雲でゆく〜 ありし日の小太郎 在りし日の小太郎 吾輩が実家を後に して黄泉の国へ旅たち早や3年になる。空から見る家に変わりはない。ベテイ、ボンの姉、弟の2匹は天気がいいと、庭で遊んでいる。ベテイ…